動物たちのアフリカ行きGAMEBOOK発売

ドリトル先生サイドストーリー - 69章の分岐する冒険

ドリトル先生の本
新刊「動物たちのアフリカ行きGAMEBOOK」表紙

ポリネシア:「さあさあ、みんな集まって!今日は特別なお知らせがあるのよ。」

チーチー:「何だい、ポリネシア?また先生が新しい発明でもしたのかい?」

ポリネシア:「もっと素晴らしいことよ!私たちの冒険が、今度は『ゲームブック』という形になったの。読む人が自分で選択して、いろんな物語を体験できるのよ。」

ガブガブ:「ゲームブック?それって食べられるの?」

ダブダブ:「あなたときたら!本よ、本!でも普通の本とは違うのね。読む人が物語の道筋を選べるって素敵じゃない。」

トートー:「興味深いですね。つまり、読者が我々の冒険に参加できるということですか?」

作品画像
動物たちが語る新しい冒険の形

ポリネシア:「その通りよ、トートー!この本では、先生がアフリカへの航海に出る時から始まるの。でも今回は、読む人が重要な選択をするのよ。」

チーチー:「例えば、どんな選択?」

ポリネシア:「嵐に遭った時にどちらの島に避難するか、海賊に出会った時にどう対処するか、病気の動物たちをどう治療するか...そういう選択をするたびに、物語が違う道に進むの。」

ダブダブ:「それは面白そう!一度読んだだけでは全部の物語を知ることができないのね。」

ガブガブ:「僕の活躍する場面もたくさんあるかい?特に食べ物が出てくる場面は?」

ポリネシア:「もちろんよ、ガブガブ。あなたが食べ物で大活躍する場面もちゃんとあるわ。でも今回は、読む人の選択次第でその場面にたどり着けるかどうかが決まるの。」

チーチー:「でも、原作を読んだことがない人にはどうなの?」
ポリネシア:「それがポイントなの、チーチー。この本は、先生の物語をすでに知っている人のための『ファンブック』として作られているの。だから、まだ原作を読んでいない人には、ぜひ先にそちらを読んでもらいたいわ。」

ダブダブ:「そうね。私たちとの最初の出会いは、やっぱり先生の最初の冒険から始めてほしいもの。」

トートー:「論理的ですね。基礎知識があってこそ、このゲームブックの真価が発揮されるということですか。」

作品画像2
69章にも及ぶ壮大な分岐構造

ポリネシア:「そしてこの本は69章もあるの。一回読んだだけじゃ全部は体験できないから、何度でも楽しめるわ。」

チーチー:「僕たちがアフリカで猿の橋を作る場面も出てくるよ!」

ガブガブ:「海賊船でおいしいものを見つける場面もあるかな?」

ダブダブ:「空を飛んで案内する私の活躍も見られるはずよ。」

トートー:「私の鋭い聴覚が謎解きに役立つ場面もありそうですね。」

ポリネシア:「みんなの活躍がちゃんと描かれているわ。でも一番大切なのは、読む人が自分だけの冒険を体験できることよ。」

全員:「さあ、一緒にパドルビー・オン・ザ・マーシュから新しい冒険を始めましょう!」

※ 注意: 日本語版はapp版では横書きですが、紙の本は縦書きになっています
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物語の世界を探検

分岐する冒険、選択する楽しみの全貌

ストーリー分岐図
複雑に絡み合う物語の分岐構造図

物語の始まりと冒険の内容

ポリネシア:「さて、肝心の物語の内容について話しましょうか。この冒険は、先生が私から動物語を学ぶところから始まるの。」

チーチー:「あの時のことを覚えてるよ!先生が初めて僕たちの言葉を理解した時の驚いた顔!」

ポリネシア:「そうそう!『Ka-ka oi-ee, fee-fee?』って私が言った時の先生の反応ったら...『これは粥がまだ熱いかい?』って意味だったのよね。」

ダブダブ:「動物と話すという不思議な能力を手に入れた先生が、私たち様々な動物との出会いを通じて、この特別な世界について学んでいく過程が描かれているのね。」

ガブガブ:「そして先生は、いろんな動物から慕われるお医者さんになったんだよね!でも...」

トートー:「その後、経済的な困窮に陥ったのですね。人間の患者が来なくなって。」

ポリネシア:「そうなの。動物たちの治療に専念するようになった結果、貧乏になってしまったの。そんな時に...」

チーチー:「アフリカから救援を求める知らせが入ったんだ!僕の従兄弟から、猿たちが病気で大変なことになってるって。」

ダブダブ:「さて、ドリトル先生と私たちはどうするのでしょうか...って、もちろん答えは分かってるけれど、ゲームブックでは読者が選択するのよね。」

原作との関係とサイドストーリー

ポリネシア:「この本の素晴らしいところは、大枠では私たちの原作のあらすじに沿っているけれど、そこで描かれなかった世界やサイドストーリーを新たに提供してくれることなの。」
チーチー:「例えば、船旅の途中で出会う島々での出来事とか、僕たちがどんな会話をしていたかとか。」
ダブダブ:「原作では詳しく書かれていなかった、私たちの日常的なやりとりも楽しめるのよ。」

ゲームブックの分岐システム

チーチー:「でも具体的にはどんな選択ができるの?」

ポリネシア:「例えば、嵐に遭った時にどちらの島に避難するか、海賊に出会った時にどう対処するか、病気の動物たちをどの順番で治療するか...そういう選択をするたびに、物語が違う道に進むの。」

ダブダブ:「一度読んだだけでは全部の物語を知ることができないから、何度でも楽しめるのが魅力ね。」

ガブガブ:「僕の活躍する場面もたくさんあるかい?特に食べ物が出てくる場面は?」

ポリネシア:「もちろんよ、ガブガブ。あなたがサルの畑で大喜びする場面もちゃんとあるわ。でも今回は、読む人の選択次第でその場面にたどり着けるかどうかが決まるの。」

トートー:「分岐の図を見ると、確かに複雑な構造になっていますね。一回では全体を把握できないのは明らかです。」

チーチー:「だから興味を持った人には、何度か試してもらうのが楽しいと思うよ。毎回違う発見があるはずだから。」

ダブダブ:「読者それぞれが、自分だけのドリトル先生の冒険を体験できるということね。素敵じゃない!」

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制作の舞台裏

AIとの協働から生まれた物語 - 開発秘話を動物たちが語る

制作の舞台裏 〜動物たちが見た創作過程〜

制作過程1
初期の制作段階での試行錯誤

ダブダブ:「ところで、この本がどうやって作られたか、私たちも見ていたのよね。作った人は最初は全然違うものを作ろうとしていたんじゃない?」

ポリネシア:「そうそう!最初は『リアルタイム・RPGゲーム』というものを作ろうとしていたの。AIがゲームマスターになって、モンスターを倒して経験を積むような...」

ガブガブ:「モンスターを倒すって、怖そう!僕には向いてないな。」

チーチー:「でも結局うまくいかなかったんだよね。2025年のAIは、ストーリーを組み立てるのがまだ苦手だったから。」

トートー:「興味深いですね。技術には限界があったということですか。」

ポリネシア:「そこで作った人が考えたの。『既存の名作ストーリーを使えば、AIゲームが面白くなるんじゃないか』って。それで私たちの物語を思い出してくれたのよ。」

ダブダブ:「それからゲームブックの形式にすることを思いついたのね。紙の本にするという発想も面白いわ。」

ストーリー作成の試行錯誤

制作過程2
ストーリー作成での度重なる修正作業

チーチー:「最初のストーリー作りは大変だったよね。僕たちも心配になったもの。」

ポリネシア:「そうなの!最初は原作に沿って、お話の分岐もAIに自動で作ってもらって、各章の内容も自動で作ってもらおうとしたの。」

ダブダブ:「でも当然のように失敗したのよね。」

ガブガブ:「何が問題だったの?」

ポリネシア:「章ごとに『いい話』にしようとするのよ、AIが。69章全部が、それぞれ愛と友情の物語で締めくくられるの。まるで...」

トートー:「『濃厚にんにく・ニラ・生姜・ましましラーメン』のような濃すぎる味付けということですね。例えが分かりやすい。」

チーチー:「『毎回いい話にしないで』ってお願いしても、全然通じなかったんだよね。今でも最初の方の章末には、そのニュアンスが少し残ってるって。」

ダブダブ:「読む人は、もしそういう箇所を見つけても、笑って許してくれるといいけれど。」

長い物語を切り分ける工夫

制作過程3
物語の分割と整合性の確認作業

ポリネシア:「そこで方向転換したの。ある程度長い物語—8000字くらい—を先に作ってもらって、それを4つに切り分けて分岐を作る方法にしたの。」

チーチー:「それはうまくいったよね!」

トートー:「しかし新たな問題も発生したのでは?」

ポリネシア:「さすがトートー、鋭いわね。AIはその時の会話しか覚えていないから、最初に作った章と後から作った章の整合性は、人間が確認しないといけないの。」

ダブダブ:「同じ章の中でも矛盾が起きるのよね。『船は海の真ん中を進んでいる』という文の数行後に『船は港から出港した』なんて書いてあったり。」

ガブガブ:「それは確かに変だね。船はどこにいるんだい?」

チーチー:「そういうエラーを全部直すのは大変だったから、もし読者が見つけても笑って許してほしいって、作った人は言ってるよ。」

物語の分岐と結末について

制作過程4
エンディング設計の議論風景

ダブダブ:「最終的な終わり方をどうするかも、だいぶ迷ったのよね。」

ポリネシア:「そうなの。複数の結末にするか、一つに集約させるか。BADエンドもありかしら、なんて考えもあったの。」

ガブガブ:「BADエンド?僕たちが不幸になる終わり方?それは嫌だな!」

チーチー:「でも結局、この本は『ドリトル先生の物語が好きな人がその世界にもっと浸るための本』だから、嫌な気持ちにさせないことを大事にしたんだ。」

トートー:「賢明な判断ですね。それで物語の途中過程のみ複数体験できて、最後は全員ハッピーエンドという形になったのですか。」

ダブダブ:「物語の広がりには欠けるかもしれないけれど、複数エンディングは話の回収が大変すぎるものね。」

ポリネシア:「本来のゲームブックのように、最初の章でやったことが後の章に影響する仕組みは、次回作があれば挑戦してみたいギミックなのよ。」

挿絵制作の苦労

制作過程5
AI画像生成での試行錯誤の痕跡

チーチー:「文章ができた後の挿絵制作も大変だったよね。」

ポリネシア:「プロンプトには本当に苦労したの。『1800年代のイギリスの田舎の港町、小太りの紳士で顔は淡白、線はすっきりした○○調で』みたいな指示が20行くらいになったのよ。」

ダブダブ:「でも安定した絵にはならなかったのよね。」

トートー:「途中でAIのメジャーバージョンアップもあって、絵柄が全然変わってしまったとか。」

ガブガブ:「それで苦肉の策として、僕たちに『動物は人間の顔なんて覚えちゃあいない』って言わせることにしたんだっけ?」

ポリネシア:「そうよ、ガブガブ!特に私がそう語ることで、顔の描き方の違いを説明することにしたの。なかなか機転の利いた解決方法だと思わない?」

Webアプリ開発

制作過程6
試し読みアプリの開発画面

ダブダブ:「ストーリーと同時に、ウェブで試し読みができるアプリも作ってもらってたのよね。」

チーチー:「これも難儀だったみたい。『完成が近づくとAIが上手くいってるところをダメにしてしまう』って問題があったんだ。」

トートー:「複雑さがある程度を超えると、AIが処理しきれなくなる傾向があるということですね。」

ポリネシア:「そうなの。だから全部AI任せではダメで、『人間がアプリの動くロジックを作って、パーツをAIに発注していく』というプロセスになったの。」

ダブダブ:「2025年前半の段階では、AIは『シンプルな構造で大量の作業』は得意だけど、『新しい分野を開拓する複雑なアプリ』はまだ失敗することが多いのね。」

挿絵の自動挿入

制作過程7
文書フォーマット変換の複雑なプロセス

ポリネシア:「最初はKindle用の電子書籍も作る予定だったの。」

チーチー:「それで選択肢を含めた文章全体をWordに載せて、選択肢から該当の章に飛ぶハイパーリンクや挿絵を自動挿入するプログラムも作ったんだよね。」

トートー:「MacのVBAではできないがWindowsのVBAならできる、GoogleドキュメントのGASはこれのみが得意、など複雑怪奇なプロセスだったようですね。」

ダブダブ:「最終的にはMacのVBA、GAS、Python、JavaScriptなどを駆使したって聞いたわ。」

ガブガブ:「なんだか難しそうだけど、すごいことをやってたんだね。」

ポリネシア:「PDFやWord内のハイパーリンクは目に見えないから、『章を移動するだけでリンクが消えてしまうけど変化は目に見えない』なんて扱いが大変だったの。」

ダブダブ:「挿絵も文章を横に回り込みさせる仕様にしたけど、Kindle表示ではできなくて体裁が悪くなったから、電子書籍をやめる理由の一つになったのよね。」

Amazon への申請

制作過程8
Amazon KDP申請時の緊張の瞬間

チーチー:「そしてついにAmazonに申請する時が来たんだね。」

ポリネシア:「著作権の切れた英語原作ベースで大丈夫なはずだけど、はねられることもあるかもって心配してたの。」

トートー:「でも二日くらいの審査期間で通ったのですよね。」

ダブダブ:「私たちの物語に固有の事情として、原作の黒人差別表現があったから、それを話の中で関わらないように省いたのが大事だったかもしれないわね。」

ガブガブ:「みんなが気持ちよく読めるように配慮したんだね。それは良いことだ。」

制作を振り返って

制作過程9
完成した作品を前にした制作チーム

ポリネシア:「話も絵もすべてAIにやってもらったから、作った人は編集者とSEとプロデューサーの仕事をしてたと思うのよ。」

ダブダブ:「収益は紙の本は本当に低いらしいけど、実際の『ブツ』になる面白さがあって満足感が高いって言ってたわね。」

チーチー:「今は英語版を出す予定で、AIが英語に訳してくれたものをひたすらチェックしてるんだって。英語のチェックは大変そうだよ。」

トートー:「そして、もしこの本が日本語・英語含めて売れるようだったら、『ロングアローへの手紙』のサイドストーリーも作ってみたいと考えているそうですね。」

ポリネシア:「次の作品では、私たちの日常生活や動物同士での対話をもっと充実させたいんですって。それも一作目が売れないと見えない未来だけれど。」

ガブガブ:「僕たちの普段の会話がもっと読めるようになるの?それは楽しそうだ!」

ダブダブ:「この本を通して、子供の頃に夢中になった物語世界にもう一度入ってみたいという気持ちと、AIという『未知の道具』で何かを形にしようとするプロセスに、大きな発見があったそうよ。」

チーチー:「読者の心にも何か小さな発見が起きることを願って、この本が作られたんだね。」

トートー:「2025年のAIが急速に普及し始めた時代に、古典『ドリトル先生』の世界を借りて、どこまで『遊び』ができるのかを試した実験作品でもあるのですね。」

ポリネシア:「そうなの。完成したものが『面白い』のかどうかは、作った人自身にもわからないって言ってたわ。でも、そのプロセス自体に価値があったのよ。」